海岸の清掃活動を続けていると、目に見えるゴミだけでなく、目に見えない汚染 の存在を強く感じることがある。 その代表的なものが マイクロプラスチック だ。 プラスチック製品が劣化し、細かく砕かれたものが海へ流れ込み、魚たちの体内に取り込まれる。 そして、それを食べる私たちの体にも影響を及ぼしていることが、近年の研究で明らかになってきた。
人体への影響はどこまで進んでいるのか?
最新の研究では、人間の血管や臓器からマイクロプラスチックが検出されている ことが報告されている。 例えば、心臓手術を受けた患者の心臓組織から、複数種類のマイクロプラスチックが見つかったという研究結果がある。 また、肺や胎盤、便からも検出されており、私たちの体内に広く入り込んでいる ことが分かってきた。
さらに、血管内に蓄積したマイクロプラスチックが、心臓発作や脳卒中のリスクを高める可能性がある という研究も発表されている。 これは、血管内に入り込んだプラスチックが炎症を引き起こし、動脈硬化を促進する可能性があるためだ。
どのように体内に取り込まれるのか?
マイクロプラスチックは、以下のような経路で人体に入り込むと考えられている。
飲料水 :ペットボトルの水や水道水から微細なプラスチックが検出されている。
食物 :魚や貝類を通じて、食物連鎖の中で体内に取り込まれる。
空気 :大気中に浮遊するプラスチック粒子を吸い込むことで肺に蓄積する。
特に、海洋汚染が進むことで、魚介類を通じた摂取が増えていることが懸念されている。 また、プラスチックには有害な化学物質が付着しやすいため、内分泌系や免疫系への影響 も指摘されている。
私たちにできること
マイクロプラスチックの問題を防ぐためには、以下のような取り組みが重要だ。
プラスチック製品の使用を減らす
使い捨てプラスチックを避け、再利用可能なものを選ぶ。
適切なゴミの処理を徹底する
ポイ捨てを防ぎ、リサイクルを積極的に行う。
清掃活動を推進する
海岸のゴミを回収し、プラスチックの流出を防ぐ。
環境教育を広める
マイクロプラスチックの影響を多くの人に知ってもらう。
マイクロプラスチックは、私たちの体内に入り込み、心臓や血管、肺などに影響を及ぼす可能性がある 。 この問題を解決するためには、プラスチックの使用を減らし、適切な処理を徹底することが不可欠 だ。 海岸の清掃活動を続けながら、こうした問題をより多くの人に伝えていきたい。
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